「翔…翔…!」
真希の声にハッとして立ち止まった。
「あたし…あの…」
「ごめん…」
「なんで謝るの?」
「すぐに、そばにいてやれなくて、ごめん。」
「え…」
「ごめん。いま強烈に正春に嫉妬してて、怖い顔してるかも。」
「狩野…に?」
「そう。」
真希は顔を真っ赤にして、うつむいた。
「それは…ちょっと、嬉しい、けど…」
うぅ…可愛い事を言ってくれるじゃないか。
オレは心向くままに、真希を抱き締めた。
オレは腕の中にいる、小さくて柔らかい存在を噛み締める。
オレはそれだけで満足できる男だ。
ただ、なぜかオレの周りのヤロー共はそうではないらしい。
オレだって自分の彼女に好き勝手されるのは不愉快だ。
オレは真希の頬にキスをした。
それから、
まぶた、額、鼻先。
顔の至る所にキスを落とす。
「か、翔…?!」
「ん?」
「どうしたの…?なんで…んっ…」
オレは真希の首筋にキスを落としてから、精一杯の笑みを顔に浮かべた。
「アメリカ式、恋人に変な虫がつかない方法…かな?」



