姉貴…姉貴って…



果(コノミ)伯母さん…!?




「えぇぇぇぇぇぇ!?」

「うるさいぞー。お前も人の事言えんだろ。」


「いや、驚くなって方が無理だから!」




果伯母は…言うなれば元ヤンだ。


齢45にしていまだ金髪。

目付きは鋭く目が合うと殺されそうな勢いだ。



根はいい人なので、話して見れば親しみやすいし、好感も持てるんだけど。



父さんが母さんを好きになったのは、23歳の時だから…




「あの…随分長い片思いだな…」


「ご立派な感想ありがとー。」




父さんはフッ鼻でと笑った。


年甲斐もなく色を抜いてパーマをかけている茶色の髪が揺れる。




「まぁ、昔の話だ。それよりお前、学校間に合うのか?」




げぇっ…!忘れてた!



俺は大慌てで鞄をひっつかむと玄関に向かう。




「芹沢なんたらちゃんによろしくなぁ!」




背後から父さんがそんな事言ったが、あまり気にせずに朝のバス停道のりを走り出した。