俺と同じ琥珀色の瞳に非難の色がかすった。



わかってるって。


叶う事のない恋心だってことは。




「血は確かに半分繋がってるんだぜ?奇跡は起きない。」


「知ってる。」


「それでも?」


「血は争えないって言うだろ?」


「解釈のしかたによるな。」


「それにもう芹沢さんには彼氏がいるし。」




海乃 翔。


女みたいな顔に乙女趣味。



そんなやつでも、芹沢さんの選んだ相手だ。



それに、俺の気持ちへの踏ん切りもつく。


ちょうどいい。




「お前は俺に似ているから。」


「バカってこと?確かに、そうかもな。」


「違うんだなぁ、これが。」




父さんはさもおかしそうにオーバーリアクション気味に顔に手をあてて天井を仰ぐ。



そして、低いトーンの声で、




「俺はさ、母さんにホレる前、姉貴にホレてたから。」