許してほしい。


君の幸せを奪ったこと、

君の人生をメチャクチャにしたこと、



ホントは、


好きになっちゃいけないんだけど。


好きになって、ごめん。



「失礼。『セ・ラ・ヴィ』の皆さん。生徒会の芹沢ですが、香坂先輩、いらっしゃいますか?」


「噂をすれば、ってやつか?話、聞きにきてくれたみたいだぞ?」


「奏うるさい。邪魔すんなよ。」




わざわざ校舎から離れたこの『セ・ラ・ヴィ』専用音楽室にきてくれた訳か…


だけど、ちょっとは意識してくれてもいいのに。

それとも、感覚がずれてるのかな?




「香坂先輩?いらっしゃるんですか?」


「いるよ。入って来なよ。」


「いえ、話を聞いたら、すぐに行きますから。それに香坂先輩は2人で、と言いませんでしたか?」




にべもない答えが返ってくる。


奏やメンバー達の顔を見ると、うわぁ、ホントにこんなかわいげない人が好きなんですかと言いたげな目をこちらにむけていた。




だから言ってるだろ。



ホントに彼女が好きなんだって。