フェアリーテイル~キミとオレとの約束~

☆〈翔〉☆



「で?お前は自分の好きな娘にちゅーされるのを黙って見てたって訳か?」


「突然でそれどころじゃなかったんだよぅ…」


「わかったわかった。わかったから泣かないで頼むから。俺変な人みたいじゃん。」


「正春は十分いつも変だよぅ。」




そう八つ当たりをするオレを正春はそーかそーかとなだめた。


朝のあの事件は相手が『セ・ラ・ヴィ』と言う事で先生達の間で問題にもなったが『セ・ラ・ヴィ』であるがゆえに不問となった。


宮様トリオの聖宮家からも圧力があったらしい。(これは噂だから真偽は分からない。)



そしてオレは、面倒に巻き込まれた芹沢を助けられなくて只今絶賛反省中だ。




「だから香坂先輩は要注意だって言ったろ?あの先輩優しいと見せかけて狼だって有名だぜ?」


「うー。考える事が多過ぎるよー。」


「だよなぁ。ただでさえあの相川がライバルなのになぁ。『セ・ラ・ヴィ』だもんなぁ。」


「正春それイヤミか?」

「なんで俺が嫌味言わなくちゃいけないんだよ。」


「意外とお前もってことも…」


「なっ、ねぇよ!ない!ありえないから!」