「さ、聖宮先輩…」
今度は男子の羨望の声がして、また人だかりができた。
「あ、あの…お願いですから、中に…入ってくれませんか…?」
聖宮先輩の登場でまたふりだしに戻った空気をもとに戻すために海乃が乙女ボイスをフルに使った。
うわっ幻覚が見える…海乃の周りには可憐なお花畑が見える…
「ほら、あんなカワイイ男の子が頑張って忠告してくれてるんだ。中に入ろう?」
「そうですわ。生徒会の皆さんの忠告は聞かなくてはならなくてよ?」
聖宮先輩と香坂先輩がそう言うと、生徒達はしぶしぶ校舎の中に入って行った。
権力者の発言だな…
私が言ったって聞きゃしないんだから。
いつもうるせぇとか生意気とか鉄仮面女とか言われるし。
「芹沢さん。大丈夫だった?」
「あ、香坂先輩。さっきはありがとうございました。聖宮先輩も。」
「当然の事をしたまでですわ。それでは、頑張ってくださいませね。」
ならちゃんと制服のリボンをつけて胸元を開けないで登校してきてくださいよ。



