「おはよ…」
「おはよー!どうしたの?遅かったね?」
海乃のその元気はどこから来るんだろう。
朝からキラキラの笑顔だし。
なんかエプロンしてるし。
そのエプロンはフリフリいっぱいだし。
「ジュニア、やっぱりひかれてるよそのエプロン。」
「エリックが買ってきたんだろ!?新しいエプロンが欲しいって言ったらさぁ!」
「まさか着るとは思ってなかったんだよ。」
…この人達はいつもこんな騒がしい朝を過ごしていたんだろうか。
家では使用人が作った朝食を各自バラバラに黙って食べてそのまま家を出ていたから、朝は静かなイメージがあった。
「海乃とエリックはいつもそんななの?」
「4年前くらいからだよマキ。私とジュニアが暮らし始めてからずっとだ。」
「そうそう。エリックってば料理の注文キツいんだもん。魚の卵いやだとか納豆はいやだとかでも温泉卵がないと朝食じゃないとかさぁ…」
なんだそのファンシーな注文。
好き嫌いが激しいなぁ…
「だって魚の卵なんて食べなくても死なないもん!ねっ、そうでしょ?マキ!」
「あーあーそうですね。死にませんね。」
なにそのテキトーな返事っ!と叫ぶ金髪碧眼の外人を尻目に私はぼそぼそ朝食を食べた。
今までで1番、美味しかった。