『―クライスト王国第1王子、ヨセフィール・アッシュ・フェアリー…そなたにそなたが担っていた義務を返そう。―』




術の中心にいたアンとヨセフは光に包まれていた。


その光はシルキーの言葉と共に収束し、ヨセフの手の中に剣の形をとった。




「綺麗…」


「そうだね…綺麗だ。これが、僕の義務…」


『―アン、そなた、その剣が見えるのか。―』


「…?はい。見えるわ。」


「シルキー?どうしたんだ?」




シルキーはその美しい顔に驚愕を隠していなかった。




『―アン、そなた、誰から生まれたのだ…?―』

「この森に面している小さな村にいるレイ父さんとサラ母さんの子供よ。」


「シルキー、どういうことだ?何がおかしいんだ?」




ヨセフは動揺を隠せなかった。



こんなシルキー、見たことがない…


シルキーが焦るなんて、100年に1度がいいとこなのに。




『―アン、そなた…王族の血を引いているな…?―』