完璧なフランケンシュタイナーなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

「ぐへへ ネェちゃん」

入学式の日、スーパー王手の近くで偶然にも知り合ったは男は私に向ってそう言った。

今日は朝から嫌な予感がしてたんだ。君もそうでしょう?

「やれやれまた太った?」と私は新日本プロレスのシャツを着た男に訊いてみた。

途端に男の表情が険しくなった。

男は、盲のいるかみたいなスピードでそっとやってきた。

私は三番目に寝た男の子のことを思い出しながら飛んだ。

「プロレスオタクなんて・みんな・糞くらえさ」

男の首に足をかけてあぐらをかいた。

上目使いに、そっとのぞき込んでくる男と目があった。

「君の着る新日本プロレス関連のシャツは何でもどんなものであろうと嫌いだし、君のやることも言うことも歩き方も酔っ払い方も、みんな嫌いだよ」
男は黙ったまま、おおきく伸びをした。
「どう変えればいいかわからないから、このままでいいよ」
「どれくらい私のこと好き?」と私が訊いた。
「世界中の人気ケータイ小説家がみんな溶けて、バターになってしまうくらい好きだ」と男は答えた。
「ふうん」と私は少し満足したように言った。

「namataさんは人気がないから平気ね」

私は、薄くスライスしたフランスパンに
チーズとハムとキュウリをサンドしたものを
モグモグ食べながら。後ろに反りかえった。

「ふむ、とてもシンプルな味付けね。あなたは食べないの?」

「よくわからないな」

男はあきれたような声を出した。

重力のことについて考えると私の頭は痛んだ。
重力というものはあまりにも観念的にすぎる。
だからといってその重力を無視した中にひとつひとつ実生活をはめこんでいくと
そのうちにそこから派生して生じるものが虚無なのか
実体なのか分からなくなってしまうのである。
さて、今落ちているのか回っているのか、

私には分からないことが多すぎる。


「やれやれ」