くたびれたソファを蹴るようにしてあたしは体を浮かせた。
視界にふわりと影が舞うのに男が気付いて顔を上げた頃には、あたしのノーパソのヒミツの花園がぐっと迫っており、男は本能的な猛り声を上げた。
(いやんいやん)
あたしは男の頭を太ももで挟み、浮かせた体にかかる重力に任せてそれを抱えるように体を丸めた。
かかる重さに男の体がぐらっと後ろに傾いた、刹那。
「らめえええ…っ!」
ぐんっと上体を逸らしながら、渾身の力を込めて叫んだ。
重心が瞬間に移動、弓なりになりながら回転をかけるあたしの体に男が浮き、ただ声を荒げた。
その雄叫びと秋のシャウト、あたしのソプラノが奇妙にハモり、あ!これ前衛的!と変な陶酔感にくるまれた、その奇跡的なメロディーは男の頭がガラステーブルと奏でる崩壊音でクライマックス。
頭の刺さったテーブルの、細かく砕かれたガラスはライトを浴びながらキラキラと宙を舞い、それは音の美の終焉を彩り、かつあたしを祝福するようで、つかの間充実感に満たされた。
「やた!91点!」
「秋、すごいぉ!」
秋とあたしはチャンピオンを熱唱した。
堀内孝雄はマジで渋い。
視界にふわりと影が舞うのに男が気付いて顔を上げた頃には、あたしのノーパソのヒミツの花園がぐっと迫っており、男は本能的な猛り声を上げた。
(いやんいやん)
あたしは男の頭を太ももで挟み、浮かせた体にかかる重力に任せてそれを抱えるように体を丸めた。
かかる重さに男の体がぐらっと後ろに傾いた、刹那。
「らめえええ…っ!」
ぐんっと上体を逸らしながら、渾身の力を込めて叫んだ。
重心が瞬間に移動、弓なりになりながら回転をかけるあたしの体に男が浮き、ただ声を荒げた。
その雄叫びと秋のシャウト、あたしのソプラノが奇妙にハモり、あ!これ前衛的!と変な陶酔感にくるまれた、その奇跡的なメロディーは男の頭がガラステーブルと奏でる崩壊音でクライマックス。
頭の刺さったテーブルの、細かく砕かれたガラスはライトを浴びながらキラキラと宙を舞い、それは音の美の終焉を彩り、かつあたしを祝福するようで、つかの間充実感に満たされた。
「やた!91点!」
「秋、すごいぉ!」
秋とあたしはチャンピオンを熱唱した。
堀内孝雄はマジで渋い。