それからはカズにとって正念場だった。





何事にも、集中すれば異常な才能を発揮するタイプの彼は試験が間もなく近づいてきた頃には、ベストコンディションにもってきていたのだ。





まるで、競走馬がレースに向けて馬体を絞っていくかのように己に鞭を打ち、レースを終えた彼の表情は満足そうだった。





そして審議中のランプが消えた今、僕達の目の前には競走結果が映し出されていた。






落胆のため息、歓喜の声、それらが入り混じった混沌とした空気が会場を包みこむ。