「でも、僕は一人になってしまう。」





すると、フウカは僕の手をとった。





「ユウタにはあたしがいる。だから、決心するのよ。」




「うん。」





目をつぶると、合格発表の日の事が鮮明に蘇ってくる。





フウカの後ろ姿。





突然の雨。





家族からの祝福。





その全てが懐かしく、まるで、遠い昔の事のように思える。





そして、僕の楽しい高校生活は今日限りで終わり、明日から一生、罪の意識に悩まされながら生きていくことになるだろう。





「フウカ、君に出会えたこと、後悔はしてないよ。」




フウカは僕を優しく抱き寄せた。





フウカなりの返事だろう。




決行は深夜0時。





僕達はしばしの仮眠をとることにした。