雨の日に授業が身に入らないのは、今に始まったことではなかった。





初授業はたいていが自己紹介から始まり、簡単な説明をもって終わる。





僕にとってそれは好都合だった。





お昼は売店で惣菜パンを買って済ませ、図書室へと向かった。





途中、母に会ったが特に何事もなく素通りだった。





ドアを開けると、本棚の林が広がっていた。





その中から適当に一冊選び、閲覧用のテーブル席へと向かう。





パラパラとページをめくっていると、肩を叩かれた。