教室に入ると、まだ数人しかいなかった。





黒板に書いてある座席表と名前を確認し、椅子に腰掛ける。






一色という苗字は黒板には記されていなかった。






僕は窓際の1番前の席だった。





外を眺めると広大なグラウンドが一望できる。





澄み切った青空にはポツンと雲が浮かんでいる。





それはまるで僕の心の中を表しているようだった。





その日も結局フウカには会えなかったが、ひとつわかったことがあった。





それは学校から自転車で帰る途中の出来事だった。