ほんの少しロイの肩が動いたのを、ソラは偶然にも見ていなかった。




「何を言っている。私は神の子などではない。第一そんなものがこの世に存在する訳がないだろう。」





ソラもロイと似ていて、敵を前にすると態度が極度に悪く、冷たくなる。


しかし今はいつもよりも一層冷たく凍り付いた声を出していた。




「違う…!神の子!……導師の、も……とへ」




「何を吹き込まれているのかは知らんが、私はその神とやらを見たことがないのでな。自分で見たもの以外信じない主義だ。それはありえないとしか思えない。」





男はどうやら声を発しずらくなってきたらしく、ソラはふと後ろをむく。



そうすると、表情をなくしたロイと目が合った。






「ロイ様……?」



「ソラ、クローズ隊長とロスト将軍を呼んできなさい」





声の抑揚もあまり感じられない。