そういう訳ではない。
そういう訳ではないのだ
「しかし、私にはそれほどまでの才能はございません。」
それにだ、剣だけなら未だしも、王が顔をしかめるほどに酷く、滅多に訓練内容に取り込まれない魔法も使えなくてはならないのだ。
「いや、ソラには力があるよ。一昨日の対戦相手を覚えているか?」
さっきの眉間のシワは綺麗さっぱりきえていて、何かを企んでいそうな怪しい笑みを浮かべはじめる王。
「はい、確か名はクローズ様。百人小隊隊長だとお聞きしました。」
益々王の口元が吊り上がる。
「どう思った?」
………何か企んでいる。
このお方はそういう人だ
「お強い、お方だと。」
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