見回す俺はジイさんの後方になにかの気配に気づいた。
 
(またか…)
 
俺はその気配に気づいてないふりをした。
どーせ皆、気づいたりなどしない。
放っておけばいい。
俺はそう、言い聞かせて歩く。
 
 
 
―――と、
 
 
 
「あ、あぶない!」
 
誰かが叫んだ。
 
「草ちゃん!!」
 
また別の誰か…
その誰かの言葉のすぐあと、俺の意識は闇へと落ちていった…