あたしと舜はお店を出て、デパートの地下にあるオシャレなカフェに入った。



そこで、舜にさっき買ってた袋を渡された。



その袋の中身を見てみると、予想通り“あの”黄色いワンピースだった。



あたしが店員さんに声をかけてる隙に、あたしの手から黄色いワンピースを取ってったらしい舜は。



あたしのことを無視して、黄色いワンピースを買ってしまったらしい。



「自分で買うのに!」

「俺が買わなきゃ意味ねぇだろ」

「…なっ、何でよ!」

「プレゼントだからだろうが」

「…な、何言って!………って、プレゼント?」

「あぁ、プレゼント」



………何でプレゼント?


あたし別に誕生日じゃないし、他に何かプレゼント貰うようなことした覚えないし……。



「……お前、忘れたの?」

「え?」

「今日、何の日だと思ってんだよ」



………さっぱり分かんない。



首を傾げたあたしを見て、舜は『はぁ……まじかよ』と呟いた。



「次は絶対言わねぇからな」



すると、そう強くあたしに念を押した。



「記念日だ」

「………」

「俺らが付き合って1年の」

「………プレゼント………」

「用意してねぇのは知ってる」

「じゃあ、今すぐ買いに……」

「いらねぇよ」

「……え?」



舜はあたしの耳元に口を寄せ、



「夜は寝かせねぇから」



そう、甘く囁いた。



【END】



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