小さな街のドアベルマン


「どうして自分達でやらなきゃならないのよ!」


「仕方ないさ。
ベルが風邪で来れないんだから。」


遠くからでも聞こえそうなほど、よく通る声で話をするのは、毎日朝食を食べに来る常連様でした。


『……』


ベルは急に申し訳ない気持ちになりました。
自分のついた嘘が、たくさんの人に迷惑を掛けてしまった。


そして、何よりお嬢様を理由に休んでしまった事が、今のベルを悩ませていたのです。


お嬢様に恋をしなければ、自分は幸せだったのか?


ホテルを後にし、自問自答を繰り返しながら、家へと戻って行きました。







僕は、どうしてこうも意気地なしなんだろう…
あの時、潔く聞いていれば諦めもついたはずなのに…


一人薄暗い部屋の中、ベッドに腰掛けただただ自分を攻め続けました。