しばらくして私は、違和感を覚える。少しずつ、頭が覚醒してきた。



私の視界に入るのは、白い壁、白い天井、白い床。そして肌色の私の体と、オレンジ色の携帯電話だけ。

よく考えると。ここは私の部屋ではない。もちろんだ。机も、棚も、タンスも、何もかもがない。

これは夢だろうか。私はもう一度寝ようと思い、体を倒した。硬い床に体が当たり、痛い。ベッドもない。

どうやら夢ではないようだ。私の体の中に、得体の知れない恐怖が生まれる。なにが起きたのだ?静かである。

沈黙とともに、次第に恐怖は大きくなる。私は目を閉じた。自分の心臓の音を聞く。