「ありがとうございました」



店を出て、のんびり夕暮れの町を2人で歩くと、なんとも言えない淋しい気持ちに襲われた。


「タロちゃん」

「はい、何でしょうか」



「タロちゃん、やっぱり太郎じゃなかったじゃない」


あのサイン、はっきりは見えなかったけど、どう見ても太郎とは書いていなかった。