「まずさ、あたしはさあんた以外の人間に生きてることがばれたら終わりなんだ」

「終わりって」

「消えてなくなっちゃうってこと」

「それって…」

「死ぬってことだな。だから、あたしは普段は人形のふりをしていなくちゃいけない。もしばれたらその時点で終わりだ」



そう言うと、彼女はベッドの下にごそごそ入り「この場所がいい」と言って俺にタオルを数枚とかごを持ってくるように命じた。

「ここならさ、見つかりにくいでしょ。エロ本隠してるくらいなんだから、お母さんにだって気づかれにくいはず」

「何すんだよ!」

俺は彼女がひきずって出してきたとっておきのエロ本を奪い取る。

萌え系アイドル、羽田アミちゃんが売れなくなってついに脱いでしまったというかなりレアなやつだ。

「この子よりあたしのほうがオッパイ大きいよ」

そう言うと彼女はかごの中で仰向けになり、「ほら」と言って胸を突き出して見せた。