俺は、駄菓子屋のばあさんから硬貨を受け取り、ガチャポンをしたんだった。

そして出てきたのが、今隣で眠る人形で――。



「腹減った」

頭を抱える俺の隣で声がした。



いや、これはきっと気のせいだ。

声なんかするもんか。

だって、こいつは人形なんだぜ。



髪の毛をかきむしりながら俺は目をつむる。



見たくない。

現実なんか見たくない!



けれど、やっぱりこれは夢じゃなかった。




「だから、腹減ったっつってんだろうが!」



ちっちゃな女の子が俺の鼻先に仁王立ちしていた。