バイト君は記憶喪失

「あ、あの
いつもここで仕事してるんですか?」


「うん。
毎日ここで働いてるよ。この前まで休みをもらってたケドね」


そうなんだ……


よかった


その後は当たり障りのない会話をする事が精一杯だった


「あ〜。
雨が降って来ちゃったね」


「えっ!?
うそ〜
どうしよ…」


傘持ってないよ


「傘を貸しますよ
いくつかあるんで一本くらい貸せますよ」


気づけば店には私しかいなかった


時間ももうすぐ閉店する時刻


傘を借りて今度返しに来る約束をして店を出た