公園には誰もいなかった


猫の一匹すらいなかった


いつも微笑みながら鳩に餌をやっている
優しそうなばあさんや

引きずられるように
犬の散歩をする小学生や

明らかに営業の途中の
サラリーマンがいたりするのだが



…気にせず僕はタバコに火をつけた


ハイライトは美味い。


「おっさんくせぇ」と友達に言われたり
「渋いの吸うね」と美容師に言われたり


美味いものは仕方がない。



そんな事を考えていると
見知らぬ女性が立っていた




「LOVE&PEACE」

やけにダサいTシャツを着ている



何とも印象の薄い顔立ちだ

美人であることは間違いないのだが
化粧をしない女が周りにいないせいか
なんだかのっぺりとして見える


背中には羽が生えている



それにしても白い肌だ。

向こうの景色が透けて見えそうな程に。
やけに長い黒髪と相まって
ただ美しい


何故か裸足だ。




そこで彼女は急に羽をむしりはじめた






羽?