――ガコン。
百円を投入し自動販売機のボタンを押す。
「ほれ、昼メシ」
「牛乳?」
「猫にはミルクって昔から決まっているんだよ」
「……もぅ!猫扱いするな。今の私は『夢月未来(むつきみく)』って名前の人間なんだから」
文句を言いながらも彼女は俺の手から牛乳を奪い、ストローを差してゴクゴクと飲み始めた。
「なぁ、進めた時間って元に戻せないのか?」
「戻せるわよ」
「そっか……」
「ごめんね。未来と一緒に入れる方法がこれしか思い浮かばなかったの」
「ミクが俺のためを思ってやったことだから、特別に許してやるよ。その代わり……」
「?」
「このことは俺とお前だけの秘密だ、いいな」
「うんっ」
誰にも知られるわけにはいかない。
そしたらミクは……、
ここにはいられなくなる。
俺にはそれが分かっていたから――。
でも……なぜ俺はこいつと別れることを恐れているんだ?
恐れている?
どうして?
どうしてなんだ……?
百円を投入し自動販売機のボタンを押す。
「ほれ、昼メシ」
「牛乳?」
「猫にはミルクって昔から決まっているんだよ」
「……もぅ!猫扱いするな。今の私は『夢月未来(むつきみく)』って名前の人間なんだから」
文句を言いながらも彼女は俺の手から牛乳を奪い、ストローを差してゴクゴクと飲み始めた。
「なぁ、進めた時間って元に戻せないのか?」
「戻せるわよ」
「そっか……」
「ごめんね。未来と一緒に入れる方法がこれしか思い浮かばなかったの」
「ミクが俺のためを思ってやったことだから、特別に許してやるよ。その代わり……」
「?」
「このことは俺とお前だけの秘密だ、いいな」
「うんっ」
誰にも知られるわけにはいかない。
そしたらミクは……、
ここにはいられなくなる。
俺にはそれが分かっていたから――。
でも……なぜ俺はこいつと別れることを恐れているんだ?
恐れている?
どうして?
どうしてなんだ……?


