『ご迷惑をおかけしました』

ハルが生まれてから7日目(ナノカメ)の夕方。
久しぶりにHopeの床に立った。

『一週間も無断で休んで…… それなりの罰は受けてもらうからな』

と、口ではキツイ事を言うくせに、顔は嬉しそうな太一。

ったく……
可愛い奴だな、こいつ。

なんて思ったりする。








『おかえりなさい』

もう明け方だというのに、詩織はハルを抱き、玄関で迎えてくれた。

『ただいま、詩織』

そう言って2人を抱きしめキスをする。
それを、生涯続く幸せだと思っていた。

でも数分後に、それは姿を変えた。

《ぴんぽーん……》

このチャイムによって……


『誰や、こんな時間に』

常識のない奴だと呆れながら扉を開ける。

『た…… 太一……?』

そこには、寂しげな表情の太一が……

『どうしてここが?』

背後にいる詩織達を隠す事も出来ずに、ただ驚いた。

住所も言ってないし、誰にも話した事もなかったのに。

『すまんな。 ずっと店から後をつけてたんだ』

店からずっと?

ヤバイな。
全く気配も感じなかった。

『お前が休んでる間に、客からたれ込みがあってな…… お前が産婦人科に出入りしてるって』

淡々と話す太一の顔が、まともに見れない。

変に冷たい汗が背中を通る。
素直に「しまった」と思った。

お見舞いの時に何故、変装くらいしておかなかったんだろう。
詰めが甘かった……

『最初は、まさか佳晴に限ってと思ったけどな。 一応、確認しておこうと思って』

詰めが甘いどころじゃない。
考えが甘かったんだ。

俺は一番最低な裏切り方をしてしまった。
一番の親友に対して……