(和之side)
弁当を一旦、教室に置き、ルミに呼び出された保健室へ向かう。

『何の用だった?』

保健室ではルミがベッドに座って待っていた。
俺も同じようにして隣に座る。

まさか「ヨリ戻して」って泣きついてくるのかぁ〜?
そう思ったらつい顔がニヤけてしまった。

『実は和之にお願いがあるの!』

ほら来た!

『何ー?』
『洋に私とより戻すように説得して!』

……………は?
いや待て。
洋って言った?

『俺じゃないの?!』
『和之と別れた後、洋と付き合ったの…』

な、何だそれ!
だからアイツ「止めとけ」なんて…
自分の女だから…

『やべッ…』

涙出そうだし。
俺、洋は親友だと思ってたのに…

『和之ッ どーなの?』

そうだ、別に友達なんて他にもいるんだ。
別に洋じゃなくたって…

『悪いけど、もう洋と話す時はないと思うし。』

完全に頭にきた。

ルミを盗られた事じゃなく…
俺の気持ちを知ってて黙ってた事に。

《〜♪〜♪》
あんだよッ!
シンミリしてる時に鳴るなよ、携帯!

ポケットから取り出してみると画面には「洋」と表示されていた。

しばらく考えた後、とりあえず出てみる。

『もしもし?』
《もしもーし! 和之くんですかぁ?》

何だコレ…
洋の声じゃない。

《今、君の友達をあずかってるんだけどね? 1人じゃ帰れないみたいだから迎えに来てくれる?》

待て待て。

俺は今、「友達じゃない宣言」をしたばかりだぞ?
誰がそんな危険なとこに迎えに行くかよ。

『悪いけど…《和之! 絶対に来るな!》

断ろうとしたその時、受話器の遠い所から洋の声がした。

マジで捕まってんだ…

…………あ〜!!
どーすんだよッ!!