やっぱり新と雅にも出会いってのがあるんだよね…
当たり前だけど…

私と雅の出会いは最悪だったけど…

『…そういえば…』

私だって雅の裸を見たんだから(下半身だけど)露天風呂の事もお互い様じゃん?

…なーんて思おうとしても悲しくなるだけだった…

ってか眠い…………

『さすがに寒くなってきたな…』

雅がそう呟くと雛姫からは寝息が帰ってきた。

恐る恐る腕の中を見ると…
思った通り、寝入った雛姫がいた。

『この状況で寝るか? 普通…』

俺なんか緊張と欲望(?)みたいなのが入り混じって目が冴えてる…

『俺の事、男と思ってないんすかぁ?』
『スー…』

もちろん返答はない。
呆れた…

雅は雛姫を強く抱きしめるとそっと唇を重ねた…

『…俺は好きなんだけどさ…少しは意識してよ…』

告白なんか届くはずもなく、雅はフゥと溜め息をついて目を閉じた。

本当…
こんな女のどこがいいんだか…
自分でもわかんねー…


―――――

翌朝…

『いない!!』
『こっちもだ!』

旅館では新と紗奈が大騒ぎ。
それもそのはず…

『雅の奴、いつ出てったんだよ…』
『雛姫先輩も…』

朝になっても2人が帰ってこなかったから…

『もしや俺のヒナ嬢が雅と外で…『止めて! 最後まで言わないで!』

紗奈は新の口にハリ手をくらわせて倒す。

2人が散々、騒いだ後でようやく雅と雛姫が帰ってきた。

『お゙はよ~…』

雛姫は力無い笑顔で2人に挨拶する。

『ヒナ嬢…? 何そのガラガラ声…』
『海で寝ちゃって…起きたら…』

風邪をひいていた…というわけです。
雅にいたっては喉の激痛で声も出せないとか…

『やっぱ冬にアオカンは…『新、いい加減にしなさい。』

またしても新の言葉を掻き消す紗奈。

その瞬間…
「バタン」と音がして雅と雛姫は廊下に倒れ込む。

『きゅッ 救急車~!!』

薄れる意識の中、新の慌てる声だけが響いた…

こうして無事(?)に6人の温泉旅行は幕を閉じたのでした…