「いいの? あのままで」
「……」
思いもしないジーナの言葉に、俺は唖然となってジーナを見上げる。
「……な……」
なんでそんな事……。
そう言葉にしようとしてジーナに視線を移すと、公園を見ていたジーナはすでに俺を見つめてて。
不覚にも、その青い瞳に言葉を飲み込んだ。
「……ケンゾーって男をちょっと甘く見すぎてると思う」
「……」
低く、まるで忠告するような口ぶりに、俺は視線をそらした。
「見ててイライラするって言うか。 カナメがもっとしっかりあの子を捕まえておいてくれないと、ケンゾーのやつ……エスカレートするよ」
「……」
「ちょっと、カナメ。 さっきから黙ってるけど、聞いて……」
「わかってんだよ」
「え?」
手に持っていたカップをテーブルに置いて、俺はくしゃりと髪をすく。
「んなこと、わかってんの。 むかついてるのも同じ」
「はあーっ」と大袈裟にため息をつきながらズルズルと椅子に肘をつく。
「じゃあ、なんで何も言わないのよ。 なんでそんなに余裕なの?」
身を乗り出したジーナの顔にチラリと視線だけを送る。
「……ジーナには、俺が余裕に見える?」
余裕なもんか。
むしろその逆。
俺には、余裕なんてこれっぽっちもない。



