「未央?」
ドアの向こうから呼ぶ声。
その声は、要だ。
怒ってここまで追いかけてきたのかな?
あたしはシルバーのショルダーを手に取ると、それを肩にかけた。
要にもらった指輪を小箱からとりだして右手の薬指につけた。
……よし。
「お待たせ」
そう言って、ドアを開けたあたしの目に飛び込んできたのは。
そう。
案の定、腕組みをして眉間にシワを寄せた要。
この顔は、怒ってる……と言うより呆れた顔だ。
「言わせてもらうけど……俺、関係ないよね?」
顔色を伺っているあたしを見て、要は「はあ」と溜息を付いた。
うッ……
「関係ない」は傷つくなぁ
あたしはそんな要を見ていられなくて、足元に視線を落とした。
たしかに、ないのかもしれない!
でも、あるよね?
要の彼女だもん。 あたし!
彼女が、他の男に連れて行かれそうになってんのに、関係ない事ないよね?
でも……
要にとっては、どうでもいいのかな……
頭の中は、勝手な言葉が飛び交っている。
自分で思っていても、その言葉で涙が出そうになってしまう。
「はぁー」
頭の上で、一際大きな溜息が聞こえた。
「しょーがねぇなー……」
「え?」
見上げると、ボリボリと面倒くさそうに髪を掻く要と目が合う。
そして、そのまま視線を逸らした。
「行ってやるよ。 面倒だけど」



