パタパタと足音を鳴らしながら、玄関へと急ぐ。
誰だろう……
日曜日、しかもまだ午前の早い時間に訪れる人はほとんどいない。
「はい?」
網戸のドアを開けそこから顔を外へ覗かせた。
「おはよ。 お迎えにあがりました」
「……」
目の前には、黒いメットを脇に抱え、満面の笑みで立つ……
ケンゾー。
そ、そうだった!!!!
日曜に来るとかどうとか言ってたんだ!
わ、忘れてたぁー!!!
「……お、おはよ」
引きつった笑顔を向けると、あたしはそっと開けていた網戸を閉めた。
ど、どうしよ……
まさか、それで要ってば機嫌悪かったとか?
まさか、ね?
要がヤキモチとかありえないもん。
それにしても……困った。
「未央ちゃーん? すぐ行ける?」
「えっ!? あ、えと……ちょっと待っててくださいッ」
外から声をかけられ、肩がビクリと跳ねた。
あたしはそう言うと、慌てて来た道を戻る。
「か、要ッ!!」



