[未央sid]
★
真夏の太陽は、今日もキラキラと照り付けている。
朝から、要は機嫌が悪い。
今日は日曜日。
珍しく朝早く自ら起きてきた要は、ママの趣味で固められたリビングのソファに腰を落としてる。
白を基調とした空間は、少しだけ気温を下げてくれてるように感じた。
大きな窓を開け放って、白いカーテンが風に乗って心地よいリズムで揺れている。
そして。
そのカーテンを通り越してきた風たちは、緩くパーマのかかった要の黒い髪を撫でた。
なんだかそれだけで絵になるようで、あたしは少しだけ佇んでそれを眺めていた。
それに気づいたのは、要だった。
あたしに気づいた要は一度だけ振り返ると、また姿勢を元に戻してしまう。
怒ってる……。
機嫌が悪い時、要は何も言わない。
なにが原因、とか。 何も。
何も言わないで、あたしに無言の圧力をかけてくる。
それが一番有効的だといわんばかりに。
うん……確かにそうなんだ。
あたしは、それだけで泣きたくなる。
その大きな瞳に見つめられるだけで、なにもかも見透かされてるみたいな気分になるの。
時々……ほんとにたまーにだけど。
それが、怖くもなるんだ……。
要は、あたしも心を知っていて、だけど何も言わないのは「理由があるんだ」って。
機嫌がいい時には、あたしの体に巻きついてきて。
とことん甘える要。
「ミャー」
不意に足元でか細い鳴き声が聞こえて。
あたしは視線を落とした。
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真夏の太陽は、今日もキラキラと照り付けている。
朝から、要は機嫌が悪い。
今日は日曜日。
珍しく朝早く自ら起きてきた要は、ママの趣味で固められたリビングのソファに腰を落としてる。
白を基調とした空間は、少しだけ気温を下げてくれてるように感じた。
大きな窓を開け放って、白いカーテンが風に乗って心地よいリズムで揺れている。
そして。
そのカーテンを通り越してきた風たちは、緩くパーマのかかった要の黒い髪を撫でた。
なんだかそれだけで絵になるようで、あたしは少しだけ佇んでそれを眺めていた。
それに気づいたのは、要だった。
あたしに気づいた要は一度だけ振り返ると、また姿勢を元に戻してしまう。
怒ってる……。
機嫌が悪い時、要は何も言わない。
なにが原因、とか。 何も。
何も言わないで、あたしに無言の圧力をかけてくる。
それが一番有効的だといわんばかりに。
うん……確かにそうなんだ。
あたしは、それだけで泣きたくなる。
その大きな瞳に見つめられるだけで、なにもかも見透かされてるみたいな気分になるの。
時々……ほんとにたまーにだけど。
それが、怖くもなるんだ……。
要は、あたしも心を知っていて、だけど何も言わないのは「理由があるんだ」って。
機嫌がいい時には、あたしの体に巻きついてきて。
とことん甘える要。
「ミャー」
不意に足元でか細い鳴き声が聞こえて。
あたしは視線を落とした。