ジーナは「へ~え」と興味深そうに顎に人差指を当てて、その綺麗な顔をズイッと近づける。
「……なんスか」
俺たちの顔を良く見ようとしてか、少し腰を屈めたジーナ。
今度は、胸の谷間が丸見え。
俺は、横目で見ながら視線を上げた。
ケンゾーと言い、なんか失礼な連中ばっか。
「かわいいね、2人とも。 いくつかな~?」
「……」
頬杖を付いていた俺は、力が抜けたみたいにガクっとうな垂れて考える。
落ち着け……。
落ち着け、俺。
「14歳くらい? えらいね、もう勉強してるんだ。 こうゆう事に興味あるんだね」
「あ! あの……えと、あたしたち」
未央が、俺の肩を掴んで勢い良く立ち上がる。
「あたし達! ……じゅ、18なんです」
「……」
でも、その言葉はまるで勢いをなくしたみたいに口の中でモゴモゴと濁った。
なんで自信なさ気なんだ?
事実じゃん……。
「え……えええぇぇ!!?」
少し時間を置いて、金切り声を上げるジーナ。
めちゃくちゃ驚いてるし。
そんな声出すなよ。
「はあ」と溜息を付きながら、マスターを見るとなぜか本で顔を隠している。
でも、小さな本に隠れきれていない髭が、小刻みに動いているのが見えた。
笑ってんだろ……おい。
確かに、他国の人から見たら俺たち日本人は幼く見えるらしいけど。
そんな、俺らガキくせぇ?



