ゴクリ。
不覚にも俺は、唾を飲み込んだ。
見つめていた瞳も微かに動き出す。
そんな俺をただ黙って見上げている未央。
……な、なんだよ、その目は。
形勢逆転ってわけ?
何度も瞬きを繰り返す俺の足元になにやら蠢く気配。
それは徐々に上へと上がってくる。
足元に始まり、それは太腿へ。
そして……
「……未央」
思わずそう呟き、固まっていた俺の身体は急に息を吹き返した。
表情を変えなかった未央はそこで、苦笑いをする。
「……要……あ、あのね?」
「なに?」
なんとも言いにくそうに言葉を詰まらせる。
お前さ、そこまで大胆な事やっといて今更なに照れてんの?
鼻でふふんと笑った瞬間――――