急に沸いた感情を隠すように、俺は未央の唇に自分のを重ねる。


そのキスを深くすれば、自然と体は傾いていく。



白いシーツにふわりと倒れこんで、俺はそっと顔を離した。

頬をピンク色に染めて、俺を見つめる未央。
その瞳は潤んでいて、ぼんやりしている。
そして、少しだけ唇を尖らせて見せた。


「……強引なんだから」

「嫌なの?」

「……い、いい嫌ってゆーか」

「じゃ、何?」


にやり、と笑って見せる。


片手で自分の体重を支えながら、空いている肘を付く。
上体が重なって、密度は濃くなる。



ドキン


ドキン



お互いの心臓の音がリアルに耳に届く。

言い返せなくなった未央に、俺は追い討ちをかけるように首筋にキスを落とした。



「んッ……あ……ちょ、ちょっと待った!」

「待てない」

「タッタイムタイム!」

「だーめ」



弱い力で必死に俺の体を押しやろうとする。
そのやり方じゃ、俺を跳ね飛ばすのは無理だね。


つか、毎度ベッドの外に追いやられてるのは、俺が油断してるから。


いつもいつも、それで回避できると思うなよ?


余裕たっぷりに口元を緩ませていると、その大きな瞳には次第に涙が溜まっていく。



うッ……そんなに嫌かよ



この手の抵抗に、俺は弱い。

ピクリと反応する眉。


ふと怯んだ気持ち。






その瞬間――――……