少しだけ震えた唇。
緊張してるのか、肩に力が入ってる。
俺は、その緊張を解くように腰に手を回す。
こうすれば、肩の力どころか体の力が抜けるんだ。
「……ん」
ほんの少し開いた唇の隙間から、甘い吐息が零れた。
……幼い顔からは想像もつかないくらいの、儚い声に俺の体はまるで電流が走ったかのように痺れていく。
あー……これ以上このままだと、外だってこと忘れそう。
まぁ いいか。
何気なく回りに視線を配る。
おし。 誰もいない!
そこの少し入り込んだベンチにでも……
「ニャアー」
え? なんだって?
『にゃあ』?
未央……我を忘れるくらい感じてんの?
ぷッ かわいいヤツ。
「ミャアァァー」
またまた、そうゆうプレイなの?
……たしかにお前動物っぽいけど、未央は犬だろ。
シッポ振って俺を待ってるちっこい犬。
「……く……くすぐったいッ! あはは……あはははは」
「……は?」