たとえこの先、2人の行く道に障害が起きたとしても。
きっと大丈夫。
だって、あたし達には
あたし達だけの約束があるから。
――――……
――……
数日後。
「ゆるさーーーーんッ!」
地も揺るがすような、おじさんの怒鳴り声。
いつもの穏やかなおじさんはどこへやら。
それはそれはまるで、はんにゃのようです……。
「あ、あの……おじさん……」
「要ッ! お前はなんて事してくれたんだッ。 父さん合わす顔ないだろ。 勝手に未央ちゃんを連れ戻しただけじゃなくて、この家を出るなんて! まだ早いッ」
き、聞いちゃいない……。
「あ、はは……」
思わず苦笑いになる。
あたしは、相田家のリビングのソファに腰を落とし、捕まった猫のように小さく肩を落とす。
その隣で、面倒くさそうにソファの背に身を預ける要の姿。
おじさんに強引に相田家に連れ戻され、かれこれ2時間のお説教。
「とにかく未央ちゃん。 来月あたりにお父さん達はこっちに帰って来るんだね?」
「え? あ、はい」
急に話を振られて、慌てて首を立てに振る。
おじさんは「はああ」と深い溜息をつくと腕を組みながらポツリと言葉にした。



