すでに公園の入り口であたしを待つ要を慌てて追いかける。
「ま、待ってぇー!」
駆け寄るあたしに、要は左手をそっと差し出してくれた。
その手の中に自分のを滑り込ませる。
あったかくて、くすぐったい。
要が探してくれた新しい家に帰ったら
さっきの言葉をもう1度聞いてみよう。
それから。
その時、一生の宝物に出来るように録音しちゃお。
――だって
要の一世一代の愛の告白なんだもん。
照れ隠しに、調子いい事言ってるの。
バレバレだよ?
「プクク」
「……なに1人で笑ってんだよ。 怖いわ」
1人にやけるあたしを眺めて、要が呆れたように、目を細めた。
それさえも愛おしい。
甘いだけじゃなくって、
胸が締め付けられちゃうみたいな
そんな酸っぱさも感じて。
そうだな……。
甘酸っぱい苺みたいな
そんな関係を、ずっと要を続けていけれたらいいな。
そして。
その先に思い描いている未来が、あなたと同じならこれ以上の幸せな事はないよ?



