驚いたように、そのアーモンドの瞳を一瞬見開いて。
だけどそれはすぐにいつもの要に戻ってて。
あたしを見下ろすその視線が、すごく甘いものだって気づく。
「そんなの、最初からわかってる」
「えへへ……」
桜の木の幹に背中を預けた要。
自然な力であたしの体を引き寄せて。
それはそれは。
どこかの国の王子様みたいにかっこよくて
そして、最高に甘ったるいキスをあたしに落とした。
見上げた要の頭上から降り注ぐ、ユラユラ揺れる太陽の光。
生い茂る葉の間を抜けて、あたし達の周りでダンスしてるみたい。
「……」
髪をかきあげて、腰に手を回して。
息をする間もなく、深く角度を変えて重なる唇。
しびれちゃいそうなほど、熱っぽい視線をあたしに浴びせた要は、悪戯に微笑むと。
軽くついばむような、くすぐったいキスをくれた。
そして。
いつの間にか要に捕まっていた左手。
要はあたしのその手を引き上げて、そっと薬指にキスをした。
……え?



