―――遠い昔
――――幼い頃の記憶
母親に連れて行かれた街中の小さな公園。
そこで俺たちは初めて出会った。
木漏れ日の中。
ふわふわ舞う、淡いピンク。
やわらかい風が揺らすのは、少し茶色がかった長い髪。
記憶の中の少女は、いつも笑っていて。
その表情をクルクルとかえていた。
木々の隙間をぬけて、さしこむ光の筋。
その光のシャワーを浴びて、楽しそうに笑う。
俺には、とても眩しい存在だった。
そして、俺が想っているように彼女も俺に好意を抱いてくれていた。
自信があったんだな……あの頃。
この子は俺が好きなんだって。
そして。
『お嫁さんにして!』
まだ小学校にもあがらないガキだった俺は突然の「プロポーズ」に動揺し、心拍数は急上昇し。
言ってしまった。
『俺の20番目のお嫁さんだね』
……ま。
嫌われたのは明確だった。
それからまったく会わなくなったんだ。
ショックだった。
ガキながらに、マジで人間不信に陥るところだったんだ。
言ってみれば俺の“初恋”だったんだから。
……その頃は、なんで嫌われたのかさっぱりわからなかったけど。



