今まさに口に入ろうとしていた、苺のかけらが行き場をなくして固まった。
「か、帰る?」
「そうよ、そのためにママはこっちに来たんだもん」
「……そんな、急すぎるよ」
「そんな事ないわよぉ。 未央が遊びに言ってる間何度も電話したのに、アンタでなかったじゃない」
「うそ……」
呟いてハッとした。
そうだ。
あたし、携帯忘れてて……。
「それと。 要君はもうこっちにいてもらうからね」
「え?」
なんて?
「要?」
「そう。だってあたし達も来月の終わりにはこっちに戻ってくるのに、彼にも同じようにしてもらうなんて、かわいそうじゃない」
「……それ、要は知ってるの?」
そうだよ……。
あたしはともかく、要には、決める権利があるもん。
要はきっと一緒に来てくれる。
だって、向こうにはマスターもいる。
バイトもある。
要はちゃんとアメリカで独立して暮らしてたじゃん。
それ、ママも知ってるでしょ?



