テーブルを囲んで、美味しいケーキを頬張るママとおばさん。
あたしの目の前にも、苺のショートケーキがキラキラ光ってる。
だけど、今は食べる気になれないよ。
あたしは、そんな2人を交互に見て、それからフォークを手にとった。
「……」
要……ほんとにどこ行ったのかな。
一度はここに帰ってきたのかな。
ケンゾーさんも典さんも、さっさと帰っちゃうし。
なんとなく、2人が何かを知ってるような気がしちゃうんだよね。
あたしの思い過ごし……か。
てゆか、ケンゾーさんはどこに帰ったの?
行くとこあったのかな。
そんな事をぼんやりと考えながら、
生クリームの上にチョコンと乗った苺に手を伸ばす。
ひと口かじると、口の中に広がる甘酸っぱい味に少しだけ頬が緩む。
キャンディも、紅茶も、アイスもおいしいけど。
やっぱりホンモノには敵わないな。
「あ、そうだ。 未央」
「ん?」
今までおばさんと話しに花を咲かせていたママが、思い出したかのようにあたしを呼んだ。
あたしはケーキを頬張りながらママの声に耳を貸す。
「明日、あっちに帰るからちゃんと準備しとくのよ」
「…………」
え?



