「体の具合、どお?」
心配そうに、少し声のトーンを落とした典さん。
昨日、はしゃいでいた彼女とは似ても似つかない。
「もう平気です。 心配かけちゃってごめんなさい」
「そっか。 ほんとだよぉ~。 要が抱えて帰って来た時心臓止まるかと思ったんだからね!」
「え、えと、ごめんなさいッッ」
頬を膨らませた典さんは、ジトーッとあたしを睨んだ。
慌ててペコリと頭を下げたあたしを見て「あはは」って笑った典さん。
「でも、本当によかった……」
典さんはそう言って、あたしの頭を包み込むと、そっと引き寄せた。
「……はい」
抱きしめられた胸の中はすごくあったかくて。
生きていたんだって、実感した。
「あの、典さん……要は?」
外からは、ケンゾーさんの慌しい足音が聞こえている。
だけど、その中に要の気配を感じられない。
もし、ここにいるなら、きっとすぐに会いに来てくれるはず。
要が来なくて、あたしが会いたい。
今すぐ。
会って、言いたいコトある。
でも、典さんから返ってきた言葉は意外なものだった。
「えッ? 要、未央ちゃんに言わなかったの?」
「え?」
なにが?
と、首を傾げたあたし。



