タオルの中は、冷たくて。
中身が氷なんだとわかった。
そか。
これが、きっと夢にも出てきた冷たい桜の正体なんだ。
それを言われた通り、頬に当ててあたしは顔を上げた。
「……」
開け放たれた襖。
縁側から注ぐのは、また昇りきらない太陽の光。
朝露で、庭の草木は、キラキラと輝いていて。
蝉の声と共に、穏やかな波の音が遠くから微かに聞こえる。
チリン
チリン
風鈴の音が、あたしの髪を揺らしそっと頬を撫でた。
……要……。
じゃあ、あの夢は?
夢じゃないなら、要が助けてくれたんだ。
要、どこにいるの?
要に会いたい……。
「未央ちゃん?」
「……典さん」
その時、廊下の襖がそっと開いて典さんが顔を覗かせた。



