そこには手になにやら抱えたケンゾーさんの姿。
あたしの顔を見て、その切れ長の瞳を大きく見開いて。
さらには少し身を引いた形になってる。
「未央ちゃん、よかった……。 どう?体は」
「……ケンゾーさん……あたし…」
そのまま体を起こすと、それをすぐさまケンゾーさんに支えられた。
「覚えてない? 謝って海に落ちたんだよ」
「覚えてます……だけど、生きてる……?」
自分の両手に視線を落として、それを開いたり閉じたりして感覚を確かめる。
「わッ」
そんなあたしを見て、ケンゾーさんは「ふ」と笑うと乱暴にあたしの頭を撫でた。
「なーに言ってんの。あたりまえだよ! さ、もう少し休んだら出発だからね」
ケンゾーさんはグリグリとあたしを撫でて、そして「ほら」と小さな包みをあたしに手渡した。
「え?」
「きっとスッキリするから、おでこに当てて」
タオルを巻いたものをあたしに手渡すと、ケンゾーさんは部屋を出て行った。



