日もどっぷり沈んだ頃、広い広い庭にはケンゾーがバーベキューの準備を済ませていた。
炭をくべてすっかり熱せられていた網の上に、豪快に肉をのせて行く。
ジューってなんとも食欲を誘う音を上げて、肉が焼きあがっていく。
「それでは…………4人の出会いにカンパーイ」
「カンパーイッ!」
「「……」」
カチンッ
テンションの違いすぎる4人。
出会いに乾杯とか……寒すぎでしょ、ケンゾーさん。
それから、あっと言う間に料理はなくなって。
まったりとした時間が過ぎていた。
楽しそうに話をしているケンゾーと典さん。
それに、ニコニコ笑ってる未央。
俺は1人少しはなれた場所でそれを眺めていた。
なんとなくその場から離れたくなって。
腰を上げると、懐中電灯を片手にそっと門を開けた。
夜ともなると、さすがに真っ暗で何も見えない。
俺は一寸先の森の中を懐中電灯で照らした。
そこに、細い獣道を見つけた。
「……」
これか?
未央達が言ってた道って。
つかあの怖がりの未央が、こんなとこで何してたんだ。
1度だけ振り返る。
俺に気づかずに、みんなの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
そのまま門を閉めると、俺はその獣道に足を踏み入れた。
暗闇でも、わかるほど真っ直ぐに伸びる道。
森に入って、ほんの5分程度だろうか。
急に視界が開けて、目の前に大海原が現れた。
「……ここへ来るのに、あんなに泥だらけになってたのか?……どんだけドジなの、アイツ」
ここだけ別世界のようで。
この時、ふと脳裏に浮かんだのが昼間、俺を見つけて泣き出しそうになった未央の顔で。
不覚にも。
俺は思い出し笑いをかみ殺した。



