やだ……。
あれ?
「…………」
あたしは自分の右手を触って、それから服のポケットをさばくった。
うそ……。
ない。
ないッ!
「どうしよう…………」
いつも右の薬指につけていた、苺の指輪が見当たらない。
ここに来た時は、確かにあったのに。
ドクン
ドクン
ドクン
なんでないの?
「……」
サーッと血の気が引くのを感じて、あたしは立ち上がった。
まさか、さっき転んだ時の拍子で抜けちゃった?
そう思うって、グッと足に力を入れるとあたしはまた森の中に駆け込んだ。
要がくれたものなのに……。
あたしと要を繋ぐ、大事な指輪なのに……。
「はあッ……はあッ」
要の気持ちを、落とすなんて!



