どうしよう。
心の中が、ぐちゃぐちゃになっちゃいそう。
目の前にキリがかかったみたいに、ぼんやりと視界を濁した。
ジャリ……――
鉛みたいに重たい足をなんとか持ち上げて、あたしは1歩を踏み出した。
「…………わッ……きゃ!」
だけどその瞬間、地面に足が付かず、急に目の前が反転したかと思うと、あたしはそのまま前のめりになりながら転がった。
「……いったーぃ……」
それほど段差がなかったようで、少し足をすりむいただけですんだ。
それよりも、お尻のほうが重症だ。
もう、なんでこうなるのよ。
疑ったバツ?
もう、神様があたしにバツを与えたのかなあ。
でも、痛いよー……。
お尻をさすりながら立ち上がると、ふとどこからか潮の香りが鼻を掠めた。
遠くから聞こえる蝉の声に乗って、『ザザーン』って波の音が聞こえた。
「……?」
ここは確かに山の中。
道中上ってきた事を考えると、頂上付近のはず。
なのに……海が近くにあるの?
不思議に思いながらも、あたしは誘われるように歩き出した。



