続♥苺キャンディ


――パコン!


「アタっ」


突然何かで頭を小突かれ、あたしは我に返る。

見上げると、要がいつの間にかそこにいて。
呆れたようにあたしを見下ろしていた。



「口、開いてるぞ」

「……っ……」



そう言って鼻で笑われたあたしは、慌ててみんなの後を追う。



門の中は、これまた広い庭で。
建物をくるっと回るように歩いて、丁度南側に玄関が現れた。


古い平屋の民家。
うんん、日本家屋だ。


縁側がずっとあって、お庭には池まである。


これが……別荘!!?



両開きの玄関の前で、また立ち止まって周りを見渡してしまう。



振り返ると、なぜか塀の向こう側は空しか見えなくて。


……木がない……。



なんてぼんやり考えていると、ケンゾーさんが縁側からあたしを呼んだ。



「未央ちゃーん。 そんなとこでどうしたの? 窓開けるの手伝ってよ」



振り向くと、典さんも要も雨戸を開けているのが見えた。



「あ、はーい! ……」



もう1度塀の向こうの青い空を見てから、肩にかけていた荷物を持ち直して玄関から中に入った。





中は窓を閉め切ってたせいなのか、ムッと熱気があたしを包んだ。

だけど、空気はよどんでなんかなかったし、部屋の中はすごく綺麗で本当に誰もいなかったのかと不思議に思ってしまうくらいだった。


「ここはね、時々空気の入れ替えで掃除婦が入ってるんだよ」

「え?」



そんなあたしの気持ちを察したかのように、ケンゾーさんがそう言いながら現れた。



玄関を上がると左手には広い居間と長い縁側が続いてて。
右手を見ると、台所とお風呂もこっちにあるみたいだ。

その奥も縁側があるようで、池に沿うように廊下が手前に曲がっていた。


これだけの立派な家を一時しか使わないなんて、なんかもったいないな。



「今の親父の親父。 じいさんの時代に、ここを妾ように作ったらしいんだけど」

「メカケ?」

「うん」


きょとんとして首を傾げたあたしを確認して、ケンゾーさんは庭に視線を巡らせた。